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【活動日誌】せわし独占インタビュー 〜売れないZARD事件について思うこと〜


夏はもう過ぎ去ってしまったのだと実感した9月のある日。しかし季節が移り変わっても我々の日常は止まらない。冷房が弱まった電車内でいつものようにスマートフォンを開き、なんとなくTwitterを眺めていた。各々の日常を切り取った何気ない散文。その中に一つ、不思議な鋭さを内包した言葉が悠然と佇んでいた。

 

 

括弧を含めてたった15文字のこの言葉は日常の中にも奇跡はあるのだと教えてくれた。

理由はわからない。だが我々ドングリとエビクラゲはどうしてか突き動かされてしまったのだ。

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パクツイに次ぐパクツイ。怒濤とはこのことを言うのだろう。取り憑かれたようにツイートを繰り返す。ある時は一斉に、ある時は忘れた頃に。この流れは決して途絶えることなく現在まで続いている。メンバーの心の中には数日おきに「そろそろかな」とアラートを鳴らす機構が生成されてきたようだ。

そしてこの流れはエビクラゲ内に留めておくことができないほどに膨張し始める。

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まさに旋風と呼ぶにふさわしい。たった一つの言葉が猛烈な勢いで人々を突き動かし、繋げていく。TLは瞬く間に占拠されてしまった。不法にではなく自然に。

そしてついにはこんなものまで自然発生する。




 

 

 

Twitter上のすべての売れないZARDを網羅するbotである。あのツイートは完全に独り歩きを始めたのだ。

 

原作者は今、何を思っているのだろうか。誇らしいのだろうか。それとも両手で顔を覆っているのか。ムーブメントの中心にいる実感はあるのか。それとももはや蚊帳の外にいるような感覚なのだろうか。

今回私は原作者・せわしさんへのインタビューに成功した。この事件に対する見解や今後の展望などを彼自身の口から語ってもらう貴重な機会となるだろう。できる限り深く彼の心中を探っていきたい。

 

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(せわしさんはカメラを前にしても臆さず雄弁に語ってくれた)

 

-まずはインタビューに答えていただいてありがとうございます。

 いえいえ、こちらこそ自分なんかを記事にしてもらっちゃっていいのかって感じで。トランプのこととかいいの!?って(※1)。光栄です、ありがとうございます。精一杯答えていきたいと思っています。

(※1 インタビュー当日は奇しくもアメリカ大統領選の投票日だった。その騒ぎの中でも売れないZARDは埋もれずに輝いていたのである)

 

-今回の件はトランプ当選に匹敵するサプライズだったと思いますよ。ここまでのムーブメントになることをご自身で予想できていましたか?

 全くしていません。狙ってできたら毎回やってますよね。メンバーの中ではツイート頻度は高いほうだと思いますが、過去にこんなことは一度もありませんでしたから。

 

-確かに普段から積極的にツイートをされていますが、売れないZARDに関しては「これは一味違う」という実感はあったのでしょうか?

 ありませんね。テレビとかを見ていて思ったことをつぶやくパターンが多いんですけど、今回もそれでした。なにげなくZARDの負けないでのVTRが流れているのを見て、いい曲だけど、「負けないで」って、ずいぶん控えめだな~って思って。「勝って」って言っちゃえばいいのになって。でもそんなストレートに言ったら売れてなかったと思うんですよ。「勝って」っていうのはみんな思ってるから。

 

-背中を押されるなら頑張れるけど強いられるのは苦しいですもんね。

そうなんです。でも“売れないZARD”ならそれやっちゃいますよね。そこにおかしさがあると思ったんです。ただ、いつもと違うな、という手ごたえみたいなのは本当になかったですね。

 

-ではせわしさんご本人にとっても青天の霹靂だったと思われますが、この事件以降ツイートに対する姿勢が変化したりしたのでしょうか?

 事件って言いますか、このツイートの少しあとくらいから仕事の都合で中東に赴任になっていて、それ関係のツイートが多くなっちゃってますよね(※2)。本当はもっともっといろんなZARDの在り方があるはずで、そこを突き詰めていきたいですね。あ、売れないZARDのツイートは固定しちゃいましたけど(笑)。

(※2 最近は売れないZARDだけではなく中東生活のレポートもしてくれているせわしさん。文化や環境の違いに戸惑っているようだ)

 

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(現在は中東で暮らすせわしさん。だがきっとリスナーの熱い気持ちは窓越しに届いている)

 

-メンバーがパクり始めた時の率直な感想を教えてください。

 始まったな、って感じでしたね。まあ私のツイート自体が売れてる方のZARDのパクリなんで、人のこと言えないんですけど、、、最近はアイコンとかアカウント名までメンバー同士でパクりあってリスナーを突き放す流れができてるんで(※3)、最終的には同じツイートをする同じ名前のアカウントが12個できると思ってます。

(※2 いつの間にか全員が売れないZARDだけをパクるようになったが、元はと言えばメンバー同士が無差別にお互いのツイートをパクリ合うことからこのムーブメントは始まった。ついにはアカウントごとパクる形にまで発展し、「アカウントを乗っ取られた」と怯えるメンバーまで現れた上にフォロワーが減った。この誰も得しない流れにせわしさんが終止符を打ったのだ)

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-ファンにまで波及し、ついにはbotも誕生しましたがそれについてはどう思われますか?

 驚きの後に恐怖が来ました。ご丁寧に背景とかアイコンも作ってあるんですけど、それ作ってる時間とか想像すると、なんていうか動機が知りたいですね。あと公式アカウントから「ぜひリスナーの皆さんもパクツイしてください」っていう”許可”が出たんですけど、私が言ってるわけじゃないことはわかっていただきたくて。

-あれ、私です(笑)。

あ、そうだったんですね。本当に感謝しています。おかげで貴重な体験ができました。ずっと経過を見守っていましたけど、嬉々としてパクっていくリスナー達を見てると、(頭おかしいのは)一人じゃないんだなって思います。

 

-今後、売れないZARDはどこまで行くのでしょうか?

 結構改変されて名作が生まれていっている感があるので、ねーうしとらのようにだんだん悪ふざけが過ぎていくと思います(※4)。ただ、最初に一線超えたやつが炎上するチキンレースみたいになったらそれはそれですごい楽しいなって思ってます。

(※4 溢れ部の人気コーナー「ねーうしとら」は元はただの大喜利のお題だった。未だ誰一人ルールを説明できないこの遊びを、せわしさんは初登場の18回でいきなりこなした経験を持つ)

 

-続編も期待しています。

 ありがとうございます。これからはどうしても売れないZARDと比べられちゃうかもしれないですけど、あんまり気負わず、自然体でいろんなZARDのツイートをしていきたいですね。

 

-最後にファンのみなさまに一言お願いします。

 たくさんパクってもらって、めっちゃ嬉しいです。これからも私のツイートは基本的にそのままコピペしてツイートしてください。宜しくお願いします。

 

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(これだけの偉業を成し遂げてもせわしさんの表情は緩んでいなかった。それでいて気負っている様子もない。これが彼の語る自然体なのだろう)

 

1時間に渡るインタビューを終えると、せわしさんはラクダに跨り帰っていった。今は遠い場所にいるが、彼の言葉は光回線を通じて日本にも届く。その言葉をさらに遠くまで届けるのが我々の仕事だ。

パクリ上等。これはドングリとエビクラゲの基本姿勢である。同時に、面白いことは1000回言っても面白いという信念を持っている。そしてきっと、1001回目にしか見えない景色があるのだ。初めてその景色を見るのは、『【売れないZARD】「勝って」』を選択しコピーしたあなたかもしれない。あとは新規ツイートボタンをタップし、貼り付けて投稿するだけだ。

大喜利集団ドングリとエビクラゲ代表。
メンバーたちがふざけやすい環境と企画とファイトプランを作る。
ミュージシャン&作家。家の裏でマンボウが死んでるPとしても活動。